絵画専門店 Art Gallery MOTOKAWA

絵画の技法一覧

絵画の技法には大きく分けて、10種類の技法があります。
技法についてご紹介しています!

技法シルクスクリーン

シルクスクリーン(Silkscreen)技法は、「セリグラフ」とも呼ばれ、布にインクを転写する版画技法の一つです。この技法では、木枠に張ったシルクや他の布を版として使用し、絵柄を転写します。シルクスクリーンの大きな特徴は、絵柄以外の部分に「目止め」と呼ばれる処理を施し、インクが通らないようにする点です。この目止めによって、インクは布を通して絵柄部分だけに転写されます。

作業手順としては、まず絵柄以外の部分を目止めし、その後、スキージと呼ばれる幅広のゴムベラを使ってインクを紙や布に押し出します。スキージでインクを押し出すことで、目止めされていない部分だけにインクが通り、絵柄が鮮明に表現されるのです。この技法では、1つの作品に使う色ごとに異なる版が必要となり、色を重ねることで複雑なデザインや多色作品を制作することができます。

シルクスクリーンは、複雑な色の表現や、大型の作品を制作する際に非常に有効です。さらに、インクの盛り上がりや、均一でくっきりとした線の仕上がりが特徴で、多くのアーティストがこの技法を採用しています。そのため、鮮やかでプロフェッショナルな仕上がりが求められる作品制作には最適です。

他の版画技法と比較してシルクスクリーンのもう一つの魅力は、紙だけでなく、布や木材、プラスチックなど、さまざまな素材にも転写できることです。これにより、ファッションデザインやインテリアアート、さらには商品パッケージなど、幅広い分野で活用されています。シルクスクリーンはその汎用性の高さから、多くのクリエイティブな表現を可能にする技法として、現代のアートやデザインの分野で広く用いられています。

技法ルーグラフ

マイケル・ルーの版画の技法「ルーグラフ」とは、マイケル・ルーがコンピューター上で作画、配色、製版を行い、マイケル・ルーのスタジオ内にある高解像度プリンターでマイケル・ルー自身が刷り上げたジークレーの版画作品です。 他の画家が行っている「原画をスキャナーでPCに取り込み、ジークレーで複製出力したもの」ではありません。 職人の手を一切借りず、木版画、銅版画、シルクスクリーンなどの長所を取り込んだ、全く新しいマイケルールーだけのオリジナル版画です。

現物を見るとシルクスクリーンの版画のようにインクの盛り上がりまでを感じる素晴らしい版画作品です。 今までのジークレーの版画とは全く別物です。 絵の大きさもSサイズ、Mサイズ、Lサイズの3つの大きさがあり、お部屋の広さや価格によって選んで購入することができます。 作品は全てアメリカのマイケル・ルーからマイケル・ルー・ジャパンを経由して送られてきますので、日本に在庫がない場合には約30日間の時間がかかる場合もあります。 版画作品には全てマイケル・ルー・ジャパンの作品証明書が添付されます。

技法ミクストメディア

混合技法と言う意味で、以前は油絵の具と、水彩絵の具の両方を使用した作品の事を通常指す言葉でしたが、最近では版画でもいくつかの技法を併用した作品をミクスドメディアと呼ぶようになりました。作家によって組み合わせかたは色々です。

例えばリトグラフ+シルクスクリーンやジークレー+ハンドペインティング、写真製版+シルクスクリーン等、複数の技法を組み合わせることによりこれまでに表現出来なかった立体感や色彩を表現することができます。

技法リトグラフ

語源はギリシャ語で石の意味から出来たと言われています。言葉の通り、平らな石の上に描画し、印刷する版画です。平らな版面の上に描き、平らな版面のまま印刷する為に平版と呼ばれています。仕組みは平らな版面の上に油性分を含んだ描画材料で描画し、描画終了後、薬品を塗ります。そうする事により油性分を含んだ部分(描画部)は油性分とくっつきやすくなり、描画されていない部分は水分を保存しやすい状態になります。

版面に水を含ませながら、油性分を含んだインクを版面にのせると、描画した部分はインクの油性分と描画部分がくっつき合うことでインクがのり、描画されていない部分は版面に水の膜が出来、油性分をはじいてインクが乗らないようになります。描画部分にインクがのった所で、版面の上に紙を置き、プレス機で圧をかけて印刷します。リトグラフは水と油の反発する性質を利用した版画です。

技法ジークレー

ジークレーとは、吹き付けて着色する意味のフランス語です。 近年、最も原画に忠実な表現ができる技法として注目されています。1980年代、ジークレーはアメリカのHP社がいち早く開発に着手しました。アイリスプリンターと言うドラム式のプリンターを開発し、そこからジークレーはアイリスとも呼ばれています。今ではジークレーは超高密度デジタル出力の総称として使われています。

ジクレー、またはジクレとも呼ばれています。商標登録されている言葉ではないのでアートの分野ではデジタルの版を使う新たな版画の種類としてジークレーという言葉は広く使用されています。単に原画を複製するのではなく、作家の指示により原画を基に新たな表現効果を試みることで、オリジナル性を高めることもできます。ピエゾグラフはエプソン、イメージプログラフはキヤノンの登録商標です。もちろんオフセット印刷とはまったく異なるので網点もありません。

技法アクアチント

アクアチントは腐蝕銅版画の一種です。粉末の松脂を銅版上にふりかけ、熱くして版に付着させます。それを腐蝕液につけると松脂粉のついていない部分が酸によって腐蝕され、表面が細かい凹凸の砂目状になります。続いて、暗くしたい部分から順に、筆で腐蝕液を塗っていきます。この作業を何度か繰り返すことで、筆のタッチを表現できる濃淡が作り出されます。 銅版画において面的な表現を可能にした重要な技法です。

技法銅版画

よく磨いた平らな銅版に蜜蝋やアスファルトなどを混ぜて作った「グランド液」と呼ばれる耐酸性の防蝕剤を塗り乾燥させます。このグランド液の上から、尖った道具(ニードル)を使って引っかくように線を描くとグランド液が剥がされて銅の部分が露出します。 これを腐蝕液に浸すと描画部分が腐蝕され凹状になります。いったん全体にインクをつけた後、乾いた布で拭き取ると、凹上の描画部分にのみインクが残り、これをプレス機で刷りとります。細い線や図柄の表現に適していて、写真製版にも広く応用されています。

技法ドライポイント

銅板に直接ニードル(鉄筆)などで表面を削るように線を描くと、線の縁に小さなまくれが生じます。その銅板全体にインクをつけた後拭き取ると、まくれの部分に僅かにインクが残り、少しにじんだような味のある線が表現できる。

技法エンボス

英語で「浮き出す」の意味です。凹凸をつけた版の上に紙をのせて、インクをつけずにプレス機にかけたり、バレンでこすると凹凸だけが紙に写し取られます。

技法エッチング

よく磨いた平らな銅版に蜜蝋やアスファルトなどを混ぜて作った「グランド液」と呼ばれる耐酸性の防蝕剤を塗り乾燥させます。このグランド液の上から、尖った道具(ニードル)を使って引っかくように線を描くとグランド液が剥がされて銅の部分が露出します これを腐蝕液に浸すと描画部分が腐蝕され凹状になります。いったん全体にインクをつけた後、乾いた布で拭き取ると、凹上の描画部分にのみインクが残り、これをプレス機で刷りとります 細い線や図柄の表現に適していて、写真製版にも広く応用されています。

技法アクリル画

顔料とアクリル樹脂分散液から作られる絵の具のことです。アクリル樹脂分散液とは顔料の粒子を接合したり顔料を支持体に定着さる展色材のことです。油絵の具が厚いペースト状の画層を形成し乾燥すると不溶性であるのに対しアクリル絵の具は透き通った画膜を形成し 被覆しにくいのが特徴です。速乾性と耐水性をあわせもつため重ね塗りにも適しています。 変色やひび割れしにくく耐久性、柔軟性にも優れています。

技法油絵

絵の具は顔料を練り合わせる媒材の違いによって、グァッシュ、水彩、テンペラ、油絵具などの差異が生じます。油絵の具の顔料リンシード油、ポピー油などで練り合わせられています。絵画の材料としてはグァッシュ、水彩、テンペラなどに比べて、光や湿気に対して耐久性が強く表現の巾も広いです。

乾燥が遅い性質を活かして、一度塗った色でも後で修正がききます。いったん乾いた絵具は、その上に重ね塗りをしても何ら影響はなく、もとの色がにじむような心配はありません。つまり何層にもおよぶ複雑な絵具層を築けるわけで、そこから様々な効果がもたらされるのです。

そして他の描画材料と大きく異なる特徴の一つは色の鮮やかさと深みにあります。ルネッサンス後期頃より徐々にテンペラにとっかわり18世紀以後、現代に至るまで欧米においてはほとんど絵画材料の本命とされてきました。日本では明治初年にヨーロッパの描画技術の導入と共に使われだしました。

技法墨彩画

墨彩画とは水墨画の技法を元に、仕上がりに水彩絵の具や顔彩などで着色する絵のことです。 筆を正しい方法で使い、適量の水を含ませることによって墨の濃淡、グラデーションが生み出されます。 下描きをせず一筆で描かれるものなので強い精神集中と緊張が要求されます。 そのため墨彩画は画家の感情などの内面を最も直接的に反映する精神性の高い芸術であると言われています。

技法コラージュ

フランス語で「糊による貼りつけ」の意味です。 20世紀初頭にブラックやピカソが始めた「パピエ・コレ」(新聞紙、切手などを画面に貼り付けた手法)が発展したもので、互いに関係のない画面を結び付けて新たな造形効果をねらう手法です。 または、貼り付けられたもの自体を示すこともあります。 近年では単に「貼り付け」の意味だけで使用されることも多いです。

技法ガッシュ

不透明な水彩絵具、またはこれを用いた技法、絵画のことです。 現代のガッシュ絵具は、水溶性のアラビアゴムを媒材として顔料と混ぜたものです。 不透明な効果を与えるための増量材を含んでおり、地塗りの色彩を覆うことができます。 透明水彩の場合にはハイライトや明るい色は、紙の白地を利用してつくりますが、ガッシュでは白色絵具を混ぜてつくります。

そのため白色の地塗りによる透明感に欠けますが、乾くとぬれた時よりも明るい色調となり、艶のないしっとりした効果を生まれます。西洋中世には彩飾写本によく使われ、16世紀~18世紀の細密画では、透明水彩とガッシュを併用して使ったデューラーの水彩による風景画や花や動物の習作もほとんどガッシュによって描かれています。

技法リノカット

リノカットは凸版技法の一種です。 床材に使用されるリノリウムを版に用い、彫刻刀で彫ります。 板目木版用の一般的な彫刻刀で彫れますが、先端が少しカーブした専用の彫刻刀もあります。 リノリウムは安価で刷りに対して丈夫で柔らかく、木目の方向の制限がなく彫りやすいため、スチレンなどの素材が登場するまでは美術教材としてもよく使われました。 ただし繊細な表現には向きません。 リノリウム自体が発明されたのは19世紀後半のイギリスで、このリノカットの版画の技法が美術分野に登場するのは20世紀初頭の頃です。 このリノカットの版画の技法の特質をよく活かした作家にマティスやピカソがいます。

技法メゾチント

7世紀の半ば頃、ドイツで発明された版画の技法です。 金属凹版にベルソーという櫛のような刃がついた器具で版全体に無数の刻みを入れたり、ささくれ状態の線をつくったりします。 さらにその上をバーニッシャーやスクレーパーという金属のヘラのような器具で、ささくれを削ったりならしたりして絵を描き、 刷る際にはインクを細かな刻みに擦り込んだ後に、刻みのない部分からは拭い落とします。 これにより刻みが残っている部分はインクの色が濃く現れ、刻みが削られたりならされたりした部分は、白く浮き出るという効果が得られます。

メゾはイタリア語で中間調という意味で、黒から白にかけての微妙な諧調を表現することができます。 油絵の複製品を作るのに適していたため、17~18世紀には特にイギリスで大流行しました。 19世紀末の写真機の登場により忘れられた技法となっていました。 20世紀に入り、長谷川潔や浜口陽三が試行錯誤を重ね、美しい黒の表現を完成させした。 版の強さとしては最も弱く、50部~80部が刷り枚数の限界といえます。

技法木版画

木板を彫刻刀で彫り、彫り残した凸部にインクをつけてバレンやプレス機で刷ります。 比較的単純な形や太い線を表現するのに適しています。 現代では彫刻刀にかわりモーター駆動のドリルやレーザー光線カッターなどが使用されることもあります。

技法モノタイプ

金属やガラス板などの表面にインクや絵の具でじかに描画し、これを刷りとります。 同じ図柄は1枚しか刷れません。

技法水彩画

水彩画とは顔料を水で溶かして描く絵画のことです。 一般的には透明の顔料を用いて紙の上に描く絵を水彩画と呼びます。 これに対して不透明水彩を用いたものはガッシュと呼ばれています。 私たちが小学校や中学校で習う水彩画はこの中間にあたる顔料を使ったものです

技法ペーパースクリーン

ペーパースクリーンは、シルクスクリーンに対して名づけられた孔版の中では最も新しい技法です。版材が和紙で、その版材は和紙にビスコース加工した、水にも油にも強い多孔質紙です。 多孔膜の和紙の版にニスやクレヨン、墨汁、ポスターカラー、糊、ボンド糊等を混ぜた液で描画して版を作ります。 刷り枠に張った原紙は最初から完成まで一貫して使用します。

いわゆる版作りと刷りを交互に繰り返してゆく一版多色刷りを基本とし、孔をふさぐ版式のものです。この版式は、シルクスクリーンのようなシルクを通さず和紙の繊維を通して行われるもので、「面」はインキを透す紙と透さない紙を使って版を作ります。 製版後の刷りは油性インクを使って刷り重ねます。仕上がりが油絵のようなどと評価され、これがペーパースクリーン版画の特徴となっています。

技法日本画

日本の伝統絵画を総称して「日本画」といいます。 今日一般的に使われている「日本画」という名称は明治以降に西洋から伝えられた油彩画と区別するために生まれたものです。 つまり「日本画」と「西洋画(もしくは洋画)」の違いは、大雑把な言い方をすれば描くために使用する素材の違いということになります。

日本画は千数百年以来続いている絵画様式が基本となっており、その画材となるものも歴史に培われた伝統的な素材です。 一般には紙や絹、木、漆喰などに墨、岩絵具、胡粉、染料などの天然絵具を用い、膠(にかわ)を接着材として描く技法が用いられています。 また、金などの金属材料(金箔など)を画材として効果的に取り入れています。

技法モノタイプ

金属やガラス板などの表面にインクや絵の具でじかに描画し、これを刷りとります。 同じ図柄は1枚しか刷れません。

技法パステル画

パステルはクレヨンのように紙に押し付けて 着色を行なう画材ですが クレヨンよりも硬いのが特徴です。
またパステルによる着色は クレヨンよりも淡く、 中間色を伴う独特の風合いが現れるため、 「パステルカラー」という名称が 与えられています。
主な原料には発色のための顔料と 色の明るさを調節するための体質顔料、 トラガカントゴムやアラビアガムなどの 粘着剤があります。
これらの原料を練り合わせて 加熱して裁断・成型します。
パステルは顔料が粉末状になって 紙やキャンバスに付着するため 絵の具やクレヨンとは違う表現になります。
色の混合も紙やキャンバスの上で 行なうことが出来るので、 パレットを使わなくて済むという 利点もあります。
パステルは原料の関係で定着力が弱いため フィキサチーフという定着剤を吹き付けて 画面に定着させます。
パステルは18世紀ごろから 盛んに使われるようになった画材で、 この頃に起こったロココ文化を 芸術面から支えていったと言われています。
パステルを使った画家として 最も知られているのが19世紀の画家で あるエドガー・ドガです。
ドガはパステルの魅力を 最大限に引き出すための技法を いくつも考案し、 後のパステル画に大きな影響を与えました。

技法イルフォクローム

スイスのシバガイギー社が開発したカラープリントの技法です。
通常の写真の現像方法は「発色現像法」と呼び、科学変化により元々色のない媒体の上に必要な部分だけ色を発色させる技法ですが、 イルフォクロームは「銀染料漂白法」と呼ばれる技法で、プリントの過程で不要なインクを抜き正確に色を残していく技法です。
通常の「発色現像法」のプリントは、化学変化した色が経年により色褪せするため美術品の色彩を保存する方法としては耐久性に問題がありました。
「銀染料漂白法」のイロフォクロームは、元々ある色彩の中で不必要な色彩のみを除く方法のため、色彩自身の耐久性は強く、 経年してもその透明感や色が損なわれないため、耐久性を要求される版画技法として近年よく使われ、博物館や美術館などの保存資料としても利用されています。

技法サンプル

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